「デザインAIツールには、どのような機能があるの?」
「AIをどうやって使いこなしたらいいかわからない…」
「そもそもAIをデザインに活用できること自体疑わしい。」
このような疑問を抱えている方は、必見の内容です。
近年、AI技術の進歩は目覚ましくデザインの領域でも十分活用できるレベルに到達しています。しかし、AIをデザイン業務にうまく活用する方法については、あまり広まっていないのが現状です。
そこで本記事では、デザイン・エンジニアリング両面からサービスの設計・開発を行っているFlowzが以下の内容について詳しく解説します。
- AIデザインとは
- AIツールでできること
- デザインを自動生成できるツール
AIデザインツールにまだ一度も触れたことがない方に向けて詳しく解説したので、ぜひ参考にしてみてください!
なお、Flowzではデジタル領域でのサービス設計、プロダクト開発の視点からお客様のビジネスをサポートしています。お困りごとがある方はぜひお気軽にご相談ください!
目次
AIデザインとは
AIデザインとは、人工知能(AI)を活用してデザイン制作を行うことです。近年、急速な発展を見せるAIを活用すれば、かんたんな命令文を入力するだけでデザインのアイデアや素材、レイアウト案などが手に入ります。
なお、AIは大きく分けて3つのモデルに分けられます。
モデル | 概要 |
---|---|
ジェネレーティブモデル | 与えられたデータから新しい画像や文章などを生成するモデル画像はもちろん、音声や動画の生成にも活用されている |
ニューラルネットワーク | ヒトの脳内にある神経細胞を模して作成された機械学習モデル画像を識別したり分類したりする用途で使われる |
大規模言語モデル(LLM) | 大量のテキストデータを学習することで、複雑なタスクをこなすことが可能リサーチやアイデア出しに活用できる |
各モデルのできることを見ても、AIは画像や動画を生成するだけでなく、アイデア出しやデータ分析など幅広い用途で活躍する可能性を秘めていることがわかるでしょう。
デザイナーの創造性を支援する補助ツールとしてAIを活用できれば、従来より小さな労力でより質の高い成果物を作り出せます。
業務の一部をAIが担当するようになると、人の仕事はより創造性の高い業務にシフトしていくでしょう。
デザインAIツールでできること
次に、AIデザインツールができることについて、3つ紹介します。
- 画像を編集する
- テキストから画像生成する
- Webサイトをデザインする
1. 画像を編集する
デザインAIツールを活用すれば、写真の色調補正や背景消去、合成、加工など、高度な画像編集を簡単に行えます。
AIツールでできる具体的な画像編集は、以下のとおりです。
- 複雑な輪郭の対象物の切り抜き
- 画質が低い画像の高画質化
- 選択した対象物の削除・置き換え
輪郭の切り抜きは人の手でも時間をかければ編集できますが、高画質化や対象物の置き換えは人力で対応するのは難しいでしょう。
複雑な編集工程を自動化するだけでなく、人の手ではできないような編集作業を一瞬でこなせる点がAIの強みです。
AIの能力は、写真・イラスト素材の販売や、ECサイト・SNSの画像制作など、制作業務全般に応用できるでしょう。
2. テキストから画像生成する
AIは人間が入力した文章を読み取り、画像を自動で生成することも可能です。画像生成のAIツールを使えば、キーワードや文章を入力するだけで、多様なスタイルの画像が即座に作成できます。
素材サイトで思ったようなイメージが見つからないときに、欲しい素材の特徴をテキストで指定すれば、理想に近いイメージをわずか数秒で手に入れられるのです。
画像生成の機能は無料のAI画像生成ツールでも利用できるため、デザイン予算が限られる個人ユーザーにも活用しやすいのが大きなメリットです。
3. Webサイトをデザインする
最近では、Webサイトのレイアウトや色彩、タイポグラフィなどのデザイン案を自動で生成するAIツールもリリースされています。
企業ブランディングや商品・サービスの訴求力を向上するうえで、Webサイトデザインの重要性は高まりつつあります。
そこでAIツールをデザイン業務に組み込むことで、デザイナーの創造性を最大限引き出しつつ、制作時間とコストを大幅に削減することが期待できるでしょう。
よりよいデザインを作成するための強力なアシスタントとして、AIツールが欠かせない時代が来るのもそう遠くないかもしれません。
AIでデザインを自動生成できるツール・アプリ7選【無料あり】
ここでは、どのようなAIデザインツールがリリースされているのか7つに絞って紹介します。
- Canva
- MyEdit
- Microsoft Design
- Figma
- Wix ロゴメーカー
- PhotoDirector
- Bing Image Creator
興味を惹かれるツールがあれば、試しに使ってみることをおすすめします。
1. Canva
Canvaには、生成AIを用いて画像を作成する機能が搭載されています。生成して欲しい画像の特徴をテキストで入力すると、わずか数十秒でユーザーの意図を汲んだ画像が生成される優れものです。
ちなみに、画像だけでなく動画やスライド案などもAIで生成できるものの、画像以外の生成クオリティは現状あまり高くありません。
CanvaのAIの生成機能は無料で利用できるので、興味のある方は試しに使ってみると良いでしょう。
2. MyEdit
MyEditは、テキストを入力するだけで画像を生成できるデザインツールで、テキストから画像を自動生成したり、高度な画像編集したりすることが可能です。
主な機能は以下のとおり。
画像を生成するだけでなく、元からある画像をアニメ化したり高画質化したりするなど、AIを用いた画像加工もできる点は見逃せません。
ただし、利用条件としてクレジットの購入または有料プランへの加入が求められる機能がある点だけ注意が必要です。
My EditでAI機能を無制限に使いたい場合は、月額税込580円の画像編集プランに加入しましょう。
3. Microsoft Design
Microsoft Designは、Microsoft Officeの一部機能として提供されているデザインツールです。利用できるAI機能は以下のとおり。
- 画像生成
- デザイン作成
- 画像加工
Microsoft Designの強みは、AIによって生成される画像のクオリティが非常に高いことです。
また、SNS運用において欠かせないデザイン案を生成する機能もあります。
Microsoft Designは、若干手直しするだけで利用できるクオリティのデザイン案をアウトプットしてくれます。2024年4月時点では無料で利用できるので、気になる方はぜひ使ってみましょう。
4. Figma
Figmaは、ブラウザ上で利用できるデザインツールで、アイデアを出したり情報をまとめたりする点に強みがあります。うまくFigmaを活用できれば、会議の資料作成などの手間が大幅に省けるでしょう。
FigmaのAIに「学習効率化アプリに必要な要素」をマインドマップでまとめるよう指示したら、以下のような結果になりました。
生成結果▼
AIで自動生成されたアウトプットとしては、的を射た内容と言えるでしょう。もちろん、追加や削除などの編集は可能です。マインドマップだけでなく、付箋やフローチャートなどにも対応しています。
このような優れたAI機能が無料で使えるのも、Figmaの魅力的なポイントです。
また、他のユーザーの操作をリアルタイムで反映されるため、チームで利用する際に便利です。Figmaは、効率的な制作フローを実現したいチームにおすすめのツールと言えます。
5. Wix ロゴメーカー
Wix ロゴメーカーは、AIロゴ制作ツールです。AIが自動で生成してくれたロゴデザインを基に、自由にカスタマイズできます。
使い方は簡単で、ビジネス名とタグラインを設定すれば、複数のデザインパターンを提案してくれます。
なお、ロゴだけでなく、名刺やSNS投稿も作成可能です。
ロゴの自動生成や編集・ダウンロードは無料です。ただし、商用利用券を含む高解像度ファイルをダウンロードする場合は、1ロゴあたり税込2,310円かかる点をおさえておきましょう。
なおHP作成プランもあり、月額1,073円から利用できます。
Wix ロゴメーカーは、小規模ビジネスや個人事業主向けのロゴ制作に適しているツールと言えるでしょう。
6. PhotoDirector
PhotoDirectorは、写真編集・加工に特化したAIを搭載しているデザインツールで、このツールを使えばプロ並みの写真加工が実現します。
とくに、画像生成のレベルが高い点がPhotoDirectorの大きな魅力です。
他にも、画像の一部をAI技術を用いて置き換えられる「AI置き換え」機能や…。
既存の画像を高画質化する「AI画像高画質化」機能など、ハイクオリティな機能が豊富に搭載されています。
PhotoDirectorを本格的に活用するには、基本的に課金する必要があるものの、年額税込4,880円と機能の割にはリーズナブルな価格設定です。
写真を多用するクリエイターや、写真編集を効率化したい個人ユーザーに最適なツールと言えます。
なお、ブラウザ上で起動するツールではなくPCにインストールして利用する必要がある点だけ、他のツールとは異なることを押さえておきましょう。
7. Bing Image Creator
Bing Image CreatorはマイクロソフトのAI画像生成ツールで、テキストから写実的な画像を自動生成してくれます。
なお、MicrosoftがリリースしているチャットボットAI「Copilot」から、画像を生成することも可能です。
Microsoftアカウントがあれば無料で利用できるものの、商用利用はできない点だけ注意しましょう。
手軽な画像素材が必要な場合に、気軽に活用できるのがBing Image Creatorのメリットです。
AIをデザインに活用した事例【売上げが1.3倍に】
AIデザインをビジネスに取り入れた事例としてカルビーのパッケージデザインが挙げられます。
とあるポテトチップスの商品が、AIデザインを導入後に売上が1.3倍に向上しました。
その背景には、パッケージのデザインを評価するAIツールを活用したことによって、高速でデザインをブラッシュアップできたことがあります。
実際に市場に出して、顧客の反応を伺うというステップは1回のPDAサイクルを回すのに多大な時間を要します。
そこでカルビーは、市場調査をAIによる評価で代替しました。
時間がかかる市場調査の時間を大幅に削減したことで、デザインが洗練されるスピードは加速し、訴求効果の高いパッケージデザインに短時間でたどりついたのです。
本事例を応用すれば、ポテトチップスのような食品だけでなく、書籍の表紙や日用品のパッケージに至るまで、AIを活用したデザインが広まっていくでしょう。
AIをデザインに取り入れて作業を効率化しよう!
AI技術は想像を遙かに超える速度でアップデートが繰り返され、デザインに十分活用できる水準に到達しています。そのためAIツールを導入するのとしないのとでは、生産性に雲泥の差が生じるでしょう。
これからは「AIを使いこなすスキル」が求められる時代に突入したと言っても過言ではありません。
なお、Flowzではデジタル領域でのサービス設計、プロダクト開発の視点からお客様のビジネスをサポートしています。UXデザインを自社サービスでも活かしたい方は、ぜひFlowzにご相談ください!